感情

私が欲しいのは　そんなものじゃない。

私が会いたい時に　少しでもいい。
会いたいんだ・・・。

私が泣いている時に　少しでもいい。
側にいて欲しいんだ・・・。

私が声を聞きたい時に　少しでもいい。
声を聞かせて欲しいんだ・・・。

だけど、あなたは・・・

私が会いたい時に　あなたはいない。

私が泣いている時に　あなたはいない。

私が声を聞きたい時に　あなたはいない。

何度も電話を手にとって　あなたにかけようとする。
あなたの名前を出して　通話ボタンを押そうとする。

何度も、何度も　繰り返してはやめる・・・。

一度だけと　覚悟を決めてボタンを押す。

あなたの番号をコールしている間が　とてつもなく長く感じる。
胸の鼓動も　指の震えも　静けさの中に響く。

あなたは出ない・・・。

私が躊躇しては諦め、それでもあなたの声が聞きたくて
何度も、何度も　繰り返してはやめていた・・・。

それでも我慢が出来なくて
一度だけと　勇気を振り絞ってボタンを押した。

だけど、やっぱり　あなたは出ない・・・。

いつも、いつも　そう。

そして　また　私は闇を彷徨う・・・。